Interview with FASHIONISTA 02|Shizuka by bluesis
AoCが注目するFASHIONISTAをピックアップするインタビュー企画・第二弾。
今回は、東京・新宿を拠点に古着セレクトショップ『bluesis』を運営するShizukaさんをフィーチャー。
ジャンルに縛られず、自身の「好き」という感覚を軸に服と向き合い続けてきたShizukaさん。bluesisという場所には、服を楽しむことの自由さと、優しさが自然と滲み出ている。
そんなShizukaさんにキャリアの話から、服やセレクトへの向き合い方、そして服を通じて社会とつながることまで、じっくりお話を伺った。
(Interviewer:Mio,Minam,Yuri,Anna)

Mio:では次に、bluesisを経営されていく中で、来店してくださるお客様の特徴だったり、印象的なエピソードなどがあれば教えていただきたいです。
Shizuka:いつもお店に来てくださるお客様には、すごく服が好きなんだな、と思う場面が多いです。
私自身の “服が好き” という思いが溢れているお店なので、それに共感してくださっているんじゃないかな、とも思います。すごく嬉しいです。
そして、みんな優しいです。私も優しくしたいといつも思っています。
最近は、SNSで見つけてくれて、お店に来てくれる若い子も増えました。
今の時代、こういうカラフルでポップなお店って少ないので興味を持ってくださっているんだと思います。
ただ、見るだけの子がまだ多いので、もっと服の良さを知ってもらえるようにアプローチしたいです。
でも「こんなお洋服もあるんだよ」というのを知ってもらうきっかけになれていることが嬉しいです。
Mio:ちなみに、来店されるお客様の年齢層はどのあたりの方が多いのでしょうか。
Shizuka: 若い子が多いですが、
顧客さんとしてついてくれているのは、25〜30歳くらいの方です。
幅広い年齢の方が来てくれます。いろんな方に服を楽しんでほしいので、性別関係なく沢山の方にもっと見に来て、着てみてほしいです。
Mio:幅広い方が来られているのがとても印象的でした。ありがとうございます。
では、このbluesisのお仕事を通して感じるやりがいをお聞きしたいです。
Shizuka:私自身、古着やかわいい服を着て元気をもらっています。
だから、お客様にも bluesis の服で元気になってほしいし、お洋服を着ることが頑張れるきっかけになってほしいです。
毎日を生きるための小さな後押しになれたら、とても嬉しいと思っていて。
bluesisで買ってくれたお洋服を着て、お出かけしているのをSNSで見たり、お店に遊びに来てくれるのを見た時が一番嬉しくてやりがいを感じます。
Mio:ありがとうございます。bluesisのあたたかさがすごく詰まっているなと感じました。
Yuri:ここから少しお話が変わるんですが、しずかさんは、他の古着屋さんでの勤務経験がない状態で、どのようにしてお店を成り立たせてきたのでしょうか。
Shizuka:とりあえず、お店の経営に必要なお金を計算して計画を作って、その通りになるように頑張りました。経営なので、古着屋じゃなくても、他のお店や会社でも同じだと思っています。
私は会計事務所で経理として働いていたので、そこでお店を経営していくためのことを学びました。個人事業主の大変さや資金繰りの大変さもそこで知ったので、その経験が今につながっていると思います。
Yuri:なるほど。一見遠回りに見える経験も全て今の自分につながっているということですね。
Shizuka:そうです。私は文化服装学院に行けなくて四年制の大学に進みましたが、それが無駄になっているとも思っていません。行ってよかったとも思っています。
今になってみると、文化に行く道、大学で経営を学ぶ道、どちらを選んだとしても、将来の私がなんとかするから、どっちでも良かったんだなと思っています。
それこそ、みなさんのように東京の大学のファッションサークルに入るのも、すごくいいことだと思っていて。
自分の学びたいことを学べた上で、ファッションとも関わることができるし、なにより人脈ができるから。
仲間が増えると、例えば将来それぞれがファッション業界で働くことになった時、情報交換ができますよね。それってすごく資産なんですよ。
もしファッション業界で働きたいと思っているなら、専門学校に入るのは一番の近道ですが、ファッションと繋がっていれば、どこの学校を選んでも大丈夫だと思います。今はSNSもありますし!
Yuri:大学に通いながらファッションに関わる活動をしている私達にとって、とても貴重なお話でした。専門学校以外の道からでもファッション業界を目指せるというお話はすごく励みになりました。
加えて、お店を経営していく中で、何か諦めそうになったことや、大変だったことがあれば教えていただきたいです。
Shizuka:大変だったこと、あります。
会計事務所を辞めて、派遣で働きながら貯金をして、「お店を出す」と決めて原宿に最初の bluesis をオープンしました。
でも、そのタイミングがちょうどコロナの自粛期間で、「外に出ないで」という雰囲気の時期でした。かなり前から計画していたことですし、一度決めたことはやめられないタイプなので(笑)、知名度も低く、お客様もなかなか来なくて。このままだと貯金が尽きると思い、原宿のお店は1年で閉めました。
いったんbluesisをお休みすることになったんですけど、そのあとまたバイトしてお金を貯めて、1年…1年か2年くらいかな、今のこの店舗を見つけて出しました。
Yuri:リアルな話まで細かく、ありがとうございます。
では、次に、ファッションのカルチャーについてお聞きしたいです。影響を受けたカルチャーや時代があれば、教えてください。
Shizuka:やっぱりストリートスナップかな。『FRUiTS』、一番は『FRUiTS』です。昔の『FRUiTS』。『FRUiTS』見てましたか?
Mio:はい。当時私はまだ幼かったので、画像とかをよく見たり、古本屋とかに行って「かわいいな」って思って眺めたりしてました。
Shizuka:古本屋でしか今は見られないですね。。スナップ写真の下に何を着てるか書いてあるんです。それを見て調べたり、よくしてました。
あとなんでしたっけ…(笑)
Mio:映画や音楽で影響を受けたものがあれば教えていただきたいです。
Shizuka:私、音楽は全然詳しくなくて…映画も特別好きってわけじゃないかな。
Yuri:あんまり映画は観ないんですか?
Shizuka:観るけど、すぐ忘れちゃいます(笑)。
Mio:「これがめっちゃ好き!」みたいなのはあんまりない感じですか?
Shizuka:そう、ないですね。観たあとは、可愛かったな〜感動したな〜と思うんですけど、すぐ忘れちゃう。

Yuri:では、現在のファッションシーンや、学生世代への印象、今注目してることがあれば教えてください。
Shizuka:うーん、若い子が何を好きなのか、正直よく分からないんです。
ファッションの情報って、みなさんどこで得てますか?
SNSとか、TikTokを見ていますか?
Mio, Yuri, Minam:見ますね。TwitterとかPinterestも。Pinterestはよく見ます。
Shizuka:そこから想像力を膨らませたり、インスピレーションを受けている感じですか?
Mio:まさにそれです。ピンを付けていろいろ分けられるじゃないですか。カテゴリを作って「かわいい」と思ったものを集めて、よく見てます。
Shizuka:かわいいものに興味がある若い子は多いと思うし、情報もたくさん入ってくるから見てはいると思うんです。でも、それを「着たい」って思う人は少ないのかなって感じています。
自分がはじめて挑戦するのは避けたい、「誰かと一緒がいい」っていう気持ちがあるんじゃないかな、と。
Mio:個性を出すというよりも、みんなに合わせる…?
Shizuka:はい。その方が安心するし、かわいさが確約されてるっていうか。モデルになっている方がかわいいから、その子と同じ服を着れば「絶対かわいい」になる、失敗しないと思ってる子は多いと思います。
でも私は、「自分がかわいいと思ったものでいいんだよ」って思ってます。
お店でもよく言ってるんですが、「これいいな」と思ったら適当に着ちゃっていいって。コーディネートとか考えなくても、「着たいならそれでいい」って伝えてます。
お仕事として、スタイリングの提案はしますが、私の根っこにある想いは「なんでもいい!」です(笑)
Yuri:では、スタイル作りで意識していることや、軸となる価値観は、「自分が好き」と思うものが中心になりますか?
Shizuka:そうですね。やっぱり「自分が好き」って思うものを中心にしてますね。
普段は、好きなインスタグラマーさんや、スタイリスト、コレクションなどを見てインスピレーションを受けています。
好みのスタイリングを見つけた時は、手持ちのもので取り入れられるものはないか考えることがあります。
でも、全く同じにならないように心がけています。
私らしいか?は常に考えていると思います。
わたしも真似していないわけではなくて、そこから取り入れられるものはないか、を探しています。
いや、たまに真似もします。自分らしくなるように!
さっきの回答と矛盾していないですよね?!
Mio,Yuri:してないです!(笑)ありがとうございます。
Yuri:では、ファッションを通して伝えたいことがあればお願いします。
Shizuka:生活していると、気分が落ち込む時や悲しい時ってあると思うんですけど、私はそういうときに服から力をもらっています。
だから、他の人にとっても、服がそういう存在になったらいいなと思うし、bluesisがその手助けになれたら嬉しいです。
Yuri:なるほど、ありがとうございました。
Anna: 今後、お店として挑戦したいことや、やってみたい展開って何かありますか?
Shizuka: お店としては、もっと幅広い年齢層、どんな性の方でも気兼ねなく入ってもらえるお店にしたいのと、もう少しお店を広くしたいです。
そして、今は日本でも海外でも古着が余っていて、捨てるしかない状況で、環境汚染にも繋がっています。その現状がとても悲しいから、bluesisでも取り扱う古着の量を増やしたいです。
Anna: 古着を通して、そういった古着の廃棄問題とかにも関わっていこうとされる思いがあるんですね。
Shizuka: そうですね。古着を買い付けに倉庫にいくと、大量の古着が山のように積まれてあって、埃もすごくて。私が選ばなかったら捨てられたり、他の国へ行くことになってしまうって思うと悲しいです。
古着の処分は燃やしたり、埋め立てるから環境にも悪いと思うし、古着を売るっていう仕事に携わってる以上、それは絶対関わっていかなきゃいけない問題だと思っています。
Anna: ありがとうございます。古着を通して社会的な問題と積極的に関わっていかれるのがShizukaさんの仕事に対する深い思いが垣間見えてとても素敵です。
Shizuka: ありがとうございます。話していてお店を広くしたい気持ちが大きくなりました。そうすればもっとやりたいことも、取り扱える古着も増やせるので。
Mio : じゃあ拠点を変えて新しい店舗とかも考えていますか?
Shizuka: お店は新しくしたいですが、場所は新宿がいいです。新宿は面白い街だと思います。なんでも許されているような。歌舞伎町があって、2丁目にはクィアなコミュニティがあって、伊勢丹やセレクトショップもあって、会社も多いですし、いろんな業界の人が集まる街だからbluesisにはあってると思います。また次新しい店舗を出すとしても新宿がいいなって思っています。
Anna: ありがとうございます。最後に、ファッション業界を志す学生へのメッセージとかありますか?
Shizuka: まず、自分が好きだと思ったものを曲げないで欲しいです。周りの大人に、可愛くない・それは違うなどの否定をされてもめげないで貫き通していけば、いつか認めてくれる人に出会えるはずですし、夢は叶うと思います。
大人に沢山相談してください。1人だけじゃなくて、いろんな人にアドバイスをもらって、沢山の人の意見を聞いて、それを自分で精査して考えて、今後の進路を考えていくのがいいと思います。
Mio : ありがとうございます。Shizukaさん自身もキャリアとか進路の時に大人に相談して否定されたことも多いですか?
Shizuka: 多いですね。まず親にファッションの道に進むことをダメって言われたことです。高校は進学校だったので専門学校に行く人も少なくて、先生たちも知識が少ないからなのか、大学に行くことを勧められました。その時は私の周りにいる大人はみんな否定的で、服飾関係の進学は難しい状況だったので、落ち込んじゃって。だけど東京に出てみるといろんな人がいて、お話を聞く機会も増えて、視野が広がりました。
どのお仕事も素敵だから、何を目指してもいいんです。
だからやっぱり周りの人に否定され続けても諦めないで欲しいです。相談できる人がいなかったらbluesisに話しに来てください!
Mio : ありがとうございます。少しお話し変わってしまうんですけど、前にbluesisが選挙の時に、選挙の呼びかけを行ってたと思うのですが、そういうのも古着屋としての思いとかってあるのでしょうか。
Shizuka: ありますね。私は学生時代、選挙に行っていませんでした。学生時代に選挙に行かなかったことをすごく反省していて。政治に興味を持ったのもお店を出そうと動き出してからなんです。
役所とやりとりしたり、お金の心配をしたり。
政治ってものすごく身近なもので、調べているうちにおかしい制度もあるなって思うようになりました。
どうして政治に興味がなかったのかを考えた時、
選挙や政治のこと話す大人が周りにいなかったからだと気づいたんです。
だから、私がその大人になろうと思いました。bluesisのようなお店が呼びかけることで、若い人たちが政治に触れるきっかけになってほしい。bluesisはかわいい!ですしオープンな雰囲気のお店なので、政治の話題を扱っても学生や若いこたちも受け入れやすいのではないかと考えています。
Anna: ありがとうございます。bluesisが若い人たちが政治に触れるきっかけになるといいという考え方、とっても素敵です!
Shizuka:政治のことをポップに、当たり前のように話すことで、興味を持ちやすくなるはずです。もしbluesisを好きな方が、「bluesisが政治について発信しているから、私も少し考えてみようかな」と思ってくれたら、とても嬉しいです。
Mio・Minam・Yuri・Anna:本日はお忙しい中、貴重なお話を本当にありがとうございました!
Shizuka:古着セレクトショップ『bluesis』オーナー。大学で経営を学び、会計事務所勤務を経て独立。現在は東京・新宿を拠点に活動。
Instagram:@bluesistokyo
